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![]() 昨日7月26日にピアニスト林正樹のオーガナイズで開催された渋谷公園通りクラシックスの継続を目的とした10時間に及ぶ配信ライブ「SAVE THE CLASSICS FOR THE NEW ERA vol.1」についてずっと考えていました。 私は林正樹のバンド'間を奏でる'のメンバーとして参加させていただきました。 私も以前クラシックスにはリーダーバンド「織原良次の色彩感覚/織原良次(fretless bass)太田朱美(fl)若井優也(pf)橋本学(ds)」で定期的に出演させていただいていました。 ![]() 当時のフライヤーとクラシックスでのライブの様子。 12時から10ものバンド(よってはソロ)が出演するとあって開始から全てを会場で観る予定でしたが、バンドの出入りの人数やスタッフの方々の労を考えると出演の少し前に行くのがいいのだろうと判断して21時の出番の前、19時代に会場に到着しました。 それまで在宅にて配信ライブをPC越しで楽しんでいましたが、図らずもこれが大きな収穫になりました。 その収穫とは愛ある、想いのある配信が産む連帯と、その場の臨場感とはまた違う感動の余地です。 12時から45分ずつのパフォーマンスと15分の転換(その間は前バンドと林正樹さんによるトークコーナー)という1時間×10刻みのスケジュールでしたが、見知っているミュージシャンやバンドだけでなくまだ観たことのない強力なミュージシャンとバンドを体験することができました。 伊藤志宏と林正樹のツーショット、 バンドとしての年季と表現の詰まった、それでいて鬼怒無月さんのMCとのギャップが作るsalle gaveauの大らかなムード、 小林武文さんの琴鼓'n管の生活感溢れるチェさんの歌、 クアトロシエントスの一体感と会田桃子さんの本当に感動的な歌、 徳澤青弦さんのアンビエンスをより感じさせる間、 藤本一馬カルテットの低温を維持したオリジナルなダイナミクス、 喜多直毅クァルテットの完全な毒薬アンサンブル、 のぶまさき&佐藤允彦のピアノの大人の超知育玩具化、 吉田篤貴EMO Stringsのコンテンポラリー機織り機さながらのアレンジと美しさ、 間を奏でるの多幸。 そしてトークコーナーがまたとてもよい効果で林さんは自分の関わりについて意思を持って居心地を追求してきたのだろうな、ととても感慨深い時間でした。 なにか昭和、ではなく平成感?を感じました。某長時間テレビをタモリが総合司会をしているような緩さと穏やかさでしたね。 それはそれは言い尽くせないことが凝縮した時間でしたが、特に印象的だったのは初見(配信)だった喜多直毅クァルテットの悪魔的な凄さです。 音色、タイミング…配信でも仰け反ってしまうほどの濃度と密度… 特にベーシスト田辺和弘さん、目が離せませんでした。 もちろん、配信で体感できることには限界があると思いますが、この複数出演配信がカタログ的な役を成すならば現実のライブに足を運ぶきっかけになることは間違いないと思います。 そして当日の音を司っていた録音エンジニアの奥田泰次さん。 私はピアニストの桑原あいのレコーディングでご一緒して以来ですが、イベントが終わって即刻アーカイブをチェックすると、15分の転換時間(もちろん前バンド捌け後、ミュージシャンの配置が決まってから)でのマイキングと、ダイナミクスが極端なバンド(特に小さい音側に)が多いにもかかわらず素晴らしい音で再生されたのです。 搬出のために駐車場へ車を取りに行き、少し再生して「えっ?!」と、つい声が漏れてしまいました。 その人脈と信頼が自然な形で漂っている配信は僕が知っている林正樹が一側面に過ぎないということを思い知ることとなりました。 ご存知の方も多いと思いますが林さんは超ライブ主義、というか生音志向というか、無意味で安易なPAシステムのライブへの導入には日頃から距離を置くようなこだわりの強い方です。 その林さんがこのコロナ禍の中でYouTube配信に積極的に乗り出し、配信ライブ(しかも長尺)を企画したことは意外なことでした。 それは今回の出演者でもあった徳澤青弦さんとの演奏活動の中で配信ライブの可能性に手応えを得たことがきっかけだそうで、オンライン有料ライブ配信サービス『イマチケ』 さんと、今回の照明、舞台監督である心強い客席の人であり裏の人、三嶋聖子さんと共にこの配信フェスさながらの舞台を飄々とやり遂げたのです。 今回の出演ミュージシャンのホームであり、各バンドの活動の母体となったこの公園通りクラシックス継続のための救済企画だったわけですが、この大型企画を個人で発案してやり遂げるのは10時間経って飄々とした顔からは想像することができない強い想いと苦労があったのは間違いありません。 ![]() アーカイブは8月2日まで。 ご覧になっていない方も購入可能です。 引き続きご支援(投げ銭チケット)のご協力をよろしくお願いいたします。
by orihararyouji
| 2020-07-27 12:01
| COLUMN
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